デジタルコントロールのアナログエフェクタってどういうこと?って
頭の中???になってる人もいるかもしれません。
デジタルマルチエフェクタとの違いがいまひとつわからないとの声も聞きますので、ちょっとだけ解説を。

まずはデジタルマルチエフェクタの概念図見てください。

デジタルマルチ概念図
 
ギターからの入力はアンプを経由してラインレベルに増幅され、A/Dコンバーターに入力されます。
A/Dコンバーターはアナログ信号をデジタル信号に変換します。
当然このコンバーターにいい物を使ってあれば音も良くなります。 [A/Dコンバーター解説]

デジタルに変換された信号は信号を処理する為のカスタムチップに送られます。
このカスタムチップがデジタルマルチエフェクタの心臓と言っても間違いありません。
入力された信号を書き込まれているプログラムで足し算、掛け算、引き算、割り算などを高速に行って信号を加工します。
ユーザーインターフェースを処理する為のチップを別に用意している機種もあります。
液晶への表示や、ツマミなどによるパラメーターの変更を読み取って、カスタムチップへ送ります。

メーカーや機種によっては1個で足りなければ、カスタムチップの数を増やすことで対応してたりします。カスタムチップの間は当然デジタル信号のまま送られます。
加工された音はデジタル信号でD/Aコンバーターに送られます
D/Aコンバーターは最初のA/Dコンバーターとは逆にデジタル信号をアナログの信号に変換します。こうして変換されたアナログの信号はここで改めて音声信号になってアンプ等を通り出力されます。

これがデジタルマルチエフェクタです。
音声信号をいったんデジタルに変換してデジタルで処理して、最終的に音声信号に戻して出力します。


本題のデジタルコントロールのアナログマルチエフェクタの概念図です。
部品点数も多くなるので図も複雑になってます。
AhimotoSystem TUBE RACK 概念図

まずはとりあえず下半分だけ見てください。
リレーというのは電流を流すことで電磁石を使ってスイッチを切り替える機能を持ったもので、単体エフェクタで言うところのフットスイッチと同じようなものと思えば解りやすいと思います。

monotaro_2492104エフェクターボードは通常の単体エフェクタと殆ど変わりません。
ギターの信号を入力して、アンプや抵抗、コンデンサなどで加工します。加工した音は次のリレーを通って次のエフェクタへと送られます。
あとはこれをただ繰り返していくわけです。
入力された音声信号は音声信号のままエフェクタで加工されていって最終的に出力されます。

ちょっとだけ異なるのがエフェクタをコントロールする部分です。
これが図の上半分の部分になってきます。
 
単体エフェクタなら人間の手を使って可変抵抗器(ポテンショメーター:potentiometer)で抵抗値を変える事でコントロールされ、人間の足でフットスイッチを踏むことでON/OFFを切り替えます。

デジタルコントロールの場合、マイクロコンピューターを内蔵していて、マイクロコンピューターがI/Oポート(外部の機器を制御する為の端子)に電流を流すことで、リレーがONになったり止めることでOFFになったりして、これがフットスイッチを踏む代わりになります。

可変抵抗ですがデジタルポテンショメーターというものがあります。コンピューターから信号を送ることで、設定された抵抗値に抵抗を変化させることが出来ます。[デジタルポテンショメーター解説]

34ac6c07 仕組み的には小さい固定抵抗がいっぱい並んでいて、コンピューターからの信号でどこからどこまでを使うかを決めることで抵抗値が決まるような仕組みになってます。
つまりはアナログ信号側から見ると、ただの抵抗器にみえるわけです。

これらをマイクロコンピューターからデジタルで制御することでアナログのエフェクタがプログラムを切り替えたりすることでON/OFFされたり歪みの量が変わったりするものをデジタルコントロールのアナログエフェクタといいます。
これが複数集まるとデジタルコントロールのアナログマルチエフェクタとなります。

当然アナログエフェクタなので搭載してるエフェクタの数やリレーなんかも多様しますので、その分機能が増えれば価格も上がってしまいます。

それに比べてデジタルマルチエフェクターの場合、使用する部品数がある程度決まってしまいますので比較的安価に作れるというメリットがあります。